第二回「売れるメニューグランプリ」2022.11.07
シェフズ エキシビション
今回は、書類審査をしている中で「僕だったらこう作るんだけど」とか、「こうしたらもっといいんじゃないかなあ」という話をしているうちに、「良かったら僕がたち作りましょうか?」と中村正シェフと藤木千夏シェフがご提案をくださり、このエキシビションが実現しました。
お二人のお話を聞いて、料理の組み立て方の勉強になれば幸いです。
中村正シェフ「つくねバーガー」
中村正シェフから料理説明とアドバイス
書類選考の時に、どなたかの応募でチキンバーガーというのがあったんです。
でも、もう今ではチキンバーガーは焼き鳥屋さんも出したりしてて、ちょっとしたヒットにもなっていますね。
次に、それにかなうモノは何かなんかなあ?と思って、みんながやっているのが「つくねバーガー」ですね。
大体テリヤキソースの重いタイプの「つくねバーガー」を作っていますね。
これもまた、まあまあ難しくなって来ていますね。
そこで、とりあえずは鶏ミンチで何かやってみる事にしました。
まずは、知り合いのパン屋さんにバンズを作ってもらいました。
バンズでやってみたら、全然美味しくない!パンの方が強くて・・・
これにベーコン挟んだらどうか?今度はベーコンが強くて、ベーコンの味しかしない・・・
次に野菜を挟んだら、今度は水っぽくで食えないんです。
どうするかなあ?と考えて、「先ずはバンズから抜けてみよう」と考えて、シューの硬いバージョンでやってみました。
薄力粉にちょっと強力粉を足して、牛乳100%で焼くとカリッとなります。
これでやったら軟らかいつくねと良く合って美味かったんです。
ならば、もうあとは余計なものはいらない!
次はつくねダレです。
酒・味醂・砂糖を1:1:1
砂糖は沖縄の黒砂糖を使いました。
20%ほど水分を飛ばして、そこに中国の花椒塩(ホアジャオエン)を少々、山椒を少々。
そして、トリフオイルと、トリフを少しアクセントとして入れる。
下に敷いてあるマヨネーズはクリームチーズとマヨネーズだけです。
色々と入れたくなると思うんですが、複雑にすると美味しくなくなるのでそれだけです。
食感やバンランスもちょうど良かったと思います。
これに色々と足していくと、味がバラバラになっていってしまうんです。
そのような考えで作りました。
藤木千夏シェフ「八餅サンド」
藤木千夏シェフから料理説明とアドバイス
皆さんの提出書類の中で、「卵白がロスとして出ているので何か活用したい」「甘塩っぱいのが好き」と書かれているのを幾つか拝見して、何か提案ができないかと思い、今回はデザートを作らせていただきました。
テーマとしては、私はフレンチの料理人なので、フレンチ畑の人間が作る「焼とりの八兵衛で違和感なく提供できる売れる商品」というテーマで考えてみました。
廃棄となる卵白を使った商品で、
どうやったら気にとめてもらえるのか、注文してもらえるのか、手に取ってもらえるのか・・・
それが美味しいのはもちろんのこと、味の驚きや意外性なのか、ロゴなのか、ネーミングなのか、それともそこでしか食べられないという希少性のか・・・
と多方面で考えながら試作をしてみました。
もちろんそれが、いくら驚きや目新しさがあっても、顧客目線でないとそもそも振り向いてもらえません。
その商品で「お客様に喜んでいただける=売れる特徴を捉えられているのか?」をいつも自問自答しながら日々試行錯誤しています。
料理の説明に入ります。
アイスモナカです。
焼き鳥という伝統的な日本食に匹敵する昔ながらの何かに、オリジナリティーを加えて何か作れないかと考えました。
卵白を使用したフランスの伝統菓子に「ヌガー・グラッセ」というアイスがあります。
その手法をベースに簡単なやり方で作らせていただきました。
「甘塩っぱさ」の表現ですけれども、塩味をブルーチーズで、そして甘さをあんこで合わせました。
アイスにしたのは、八兵衛の焼き鳥を食べた時に、最後にアイスを食べたいなと単純に思ったのがきっかけだったのと、冷凍保存が効くので、ストックが出来るという理由からです。
あとは中身に食感が欲しかったので、何通りか試して、アーモンドをローストして合わせました。
清涼感もレモンのコンフィを作って合わせました。
厚さやあんこの量のバランスは、何度か調整を繰り返して決めました。
完成した後は、ネーミングを考えました。
モナカの生地の原料をお餅なので、八兵衛の八と餅の音読み「ベイ」を掛け合わせて「八餅サンド」というネーミングにしました。
お客様が見て分かりやすくというのを意識してネーミングを決めました。
そして、袋から開けるワクワクがイメージ出来たので、こういうパッケージスタイルで提案させて頂きました。