六本木ストーリー 第二話「誤算」
六本木、
地下一階、
38坪、
天神店スタイルは到底できない。
上人橋店スタイルで高客単価を狙うしかないと店作りをしました。
だから、専務だけでなく、私や多くのスタッフを連れて東京へ乗り込んだのです。
しかし、お店を作るのに予想してた予算の倍近くがかかってしまいました。
銀行に再融資をお願いするという事態に。
最初の誤算です。
もうすでにピンチでしたが。。。。
まだ、余裕があったと思います。
しかし、その余裕が消えるのに2カ月もかかりませんでした。
12月オープンでしばらくはオープン景気でなんとかいい売り上げで
「よし、いけるぞ!」
好感触を得ていました。
しかし、東京の都心部は福岡と違って正月に人が消えるのです。
いつまで待ってもお客様は帰ってこられません。
休みが長いのです。
今でこそ六本木は正月や夏休みでも人通りが沢山ありますが、リーマンショック後の当時は人影がまばらでこれが東京か?!と疑わんばかりの光景でした。
翌年の1月からは売り上げが落ち続け、ほぼノーゲストの日々もありました。
何よりも博多の焼とりがウケなかったのです。
「ブダバラ?!
は?そんなのガード下とかで焼くもんだよ。笑」
「港区でそれはないやろ…」
「ちゃんと鳥焼けないのかよ、鳥だよ鳥!」
「ネギマないんだ。博多にネギはないの?笑」
何よりまいったのは
「は?なにやってんのよ!キャベツのうえに焼とりおかないでよ!」
キャベツのうえに焼とりをのせるというスタイルがお客様の逆鱗にふれたのです。
福岡で当たり前のスタイルがウケない。。。。
お客様にとって良かれと思ってることが逆効果になる。
まさかの出来事でした。
初めて東京のお客様に恐怖を覚えたのはこの時です。
「いったい、どけんしたらよかとかいな…
何してもお客様を怒らせてしまう…」
散々な批評、酷評…
お客様が来られても、サイドメニューを少し食べて帰られる。
焼とりが売れずによく捨ててたのを覚えています。
お客様を不快にさせてしまう博多の焼とり…
まったく焼とりが売れない…
2番目の誤算です。